問い
「たまごは1日ひとつ」というのは今の栄養学的見地ではどうなってるのでしょう?
答え
「卵は1日1個まで」というかつての常識は、現在の栄養学では「健康な人であれば、1日1〜2個を食べても血中コレステロール値や心疾患のリスクを上げる科学的根拠はない」として、制限は撤廃されています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2015年版以降)でも、食事から摂るコレステロールの目標量(制限)は削除されました。
現在の見解の要点を構造的にまとめます。
1. 制限が撤廃された理由
- 体内での合成量とのバランス:体内のコレステロールの約70〜80%は肝臓などで糖や脂質を原料に合成されており、食事から入ってくる量は20〜30%程度です。食事からの摂取量が増えると、体内での合成量を減らして一定に保つ調節機能が働きます。
- 飽和脂肪酸の影響の方が大きい:血中のLDL(悪玉)コレステロールを増やす主な原因は、食品中のコレステロールそのものよりも、脂っこい肉やバターなどに多く含まれる「飽和脂肪酸」の過剰摂取であることが分かっています。
2. 卵の栄養価とメリット
卵は「完全栄養食品」と呼ばれるほど優れた栄養組成を持っています。
| 栄養素 | 主な働き・特徴 |
| 良質なタンパク質 | アミノ酸スコア100。筋肉や皮膚の材料になる。 |
| ビタミン類 | ビタミンCと食物繊維以外のほぼすべて(ビタミンA, B群, D, Eなど)を含む。 |
| ミネラル・微量元素 | 亜鉛、鉄分、カルシウムなどがバランスよく含まれる。 |
| レシチン・コリン | 脂質の代謝を助け、脳の働きや細胞膜の健康を維持する。 |
3. 注意が必要なケース
制限がなくなったとはいえ、「いくらでも食べていい」というわけではありません。以下の場合は、現在でも医師や管理栄養士の指導のもとで摂取量を調整する必要があります。
- 脂質異常症(高コレステロール血症)の診断を受けている方:遺伝的な要因や体質(抱合能の差)により、食事からのコレステロールが血中濃度に反映されやすい人がいます。重症化予防のために制限が推奨される場合があります。
- 糖尿病や腎臓疾患などの持病がある方:心血管疾患のリスク管理として、摂取量を控えるよう指導されるケースがあります。
- 全体の栄養バランス:他の食材(肉、魚、大豆製品)との兼ね合いや、調理に使う油の量も含めた総カロリー・脂質バランスの視点が重要です。
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